2017年6月29日木曜日

Jamカー「チョコ」でライントレースする話

前置き

既に紹介しました、このライントレースの改造方法を紹介します。



使うもの

改造するチョコ
ソケット(後で説明します。)
信号名のシール
反射センサー(後で説明します。)
ジャンパー線(15cm程度のオスーメスタイプを3本)
両面テープ(1x1.5cm程度の厚手のもの)

半田付け道具一式
細いドライバー(センサーの感度調整用)

反射センサー

Auduino用としてよく見かけるこのセンサーを使いました。
似たものなら使えると思います。
赤外線反射センサー
Arduino用の障害物センサーとして販売されていました。


センサーの仕組みです。

センサーの中身
赤外線LEDと赤外線トランジスタが載っています。

赤外線LEDから目には見えませんが赤外線(光)がでます。近くに物があると反射した赤外線が赤外線トランジスタを照らします。 赤外線トランジスタはこれを感知して照らされた強さをICに送ります。ICは感度設定VRの位置と比較して赤外線が強いか弱いかで検知LEDを点けたり消したりします。IchigoJamはこれをOUT端子から知ることができます。 物体があっても赤外線を反射しない黒い物体(正確には赤外線で見て黒い物体)は検知できません。ライントレーサはこれを利用して、路面が白いか黒いかを判断します。



赤外線トランジスタは、肉眼では黒く見えますが赤外線は通します。つまり赤外線でみれば透明なのです。反射するかどうかも、肉眼で見たときと赤外線で見たときでは異なっている場合があります。ライントレースがうまくできないときは、赤外線で見たときに白黒になっていない可能性もあります。

チョコの改造

チョコにソケットを半田付け

配線しやすくしておきましょう。
基板をチョコから外してください。これにソケットを半田付けします。
追加するソケットの例
色は色々。
14ピンが二個、5ピンが二個を使います。
40ピン一列の折れるソケットを分割しています。
ソケットを半田付けする場所
赤く囲ったところにつけます。信号線の配線は出来ています。
斜めにならないように慎重につけてください。

半田付けしてシールで信号名を貼りました。
シールがあると後の配線が楽になります。

センサー取り付け

ここで、チョコをもう一度組み立ててください。
次に両面テープでセンサーを貼りつけます。

センサーを電池ボックスのふたに貼ります。
ふただけに貼らないと電池交換が面倒です。
センサー貼り付け位置。
置いた状態です。ビデオコネクタを避けます。
センサーは地面から少し浮かせます。

配線します。

オスーメスタイプのジャンパー線を使います。長さは15cm程度で良いです。ジャンパーの色は3色にすると間違いが減り確認が楽になります。お勧めは次のような使い方です。世界で通用する配色ですのでこの機会に覚えておくとよいと思います。

   赤色などの暖色系→プラス電源線
   黒や濃い寒色系 →GND
   白や灰色他   →信号線

今回は次のようにするとよいでしょう。

   赤色などの暖色系  センサーのVCC から チョコのVCC(3.3V)
   黒や濃い寒色系   センサーのGND から チョコのGND
   白や灰色他     センサーのOUT から チョコのIN1

次はセンサーの感度調整

電源スイッチをPROG側に倒して電源をいれます。センサーの電源LEDが点灯します。
点かない時は電源を切って間違い探しをしてください。

細いドライバーで「感度設定VR」の中心の白いところを回して感度を調整します。
チョコを白い紙の上に置いて、感度設定VRを一方に回すと「検知LED」が点灯し他方に回すと消える筈です。無理に回さないでください。LEDが点くところに合わせます。
次にチョコを持ち上げるか黒い紙の上に置くと消えるでしょうか?消えない時は、消える方向に消えるまでゆっくり回します。
消えたら紙の上に戻して検知LEDが点くことを確認してください。
点かないときは、点く方向に回します。

プログラム

調整が終わったら、電源を一度切ってキーボードとモニタをつないでください。
電源をPROGにいれて次のプログラムを入力して下さい。

10 ‘ライントレーサ

20 IF IN(1) OUT2:GOTO20:ELSE:OUT4:GOTO20

実質1行です。
入力したら忘れずにSAVE 0しておきます。

では、電源を切ってケーブルを外したら、電源スイッチをRUN側にしてコースに置いてみてください。 うまく、トレースできたでしょうか?






2017年6月22日木曜日

モバイルバッテリーをタクトスイッチでON/OFFする。

はい。今回はちょっとしたガジェットです。

モバイルバッテリーは電子工作の電源にも便利ですよね。
よくあるものは、USBコネクタを刺すと自動で電源が入って、抜くと止まります。

便利ですが、電子工作に使ったときスイッチでON/OFFしたくなることがあります。
はい。単純にトグルスイッチをいれて回路を切断すれば、抜き差しせずに入れたり切ったりできます。

でも、この電源スイッチって結構大きいのですよ。
それに、ボタンをポチっと電源を入れたいこともあるでしょ?(ないか)

前置きが長くなりましたが、今日のお題です。

モバイルバッテリーをタクトスイッチでON/OFFする。

ONボタンを押すと電源が入り、OFFボタンを押すとOFFします。タクトスイッチなどの小電流用が使えます。
回路はこんな感じです。Rは3個とも10KΩ5%でOK。
TC7S08Fは、TC7S32Fでも使えます。スイッチは小電流用でOKです。

BATTにモバイルバッテリーをつなぎます。
ONスイッチとOFFスイッチを押すと右のPチャネルFETを通って5V端子に電圧がでます。
電流容量があって5Vで完全にONするFETが使えます。

やっていることは、ONスイッチで電流を少しだけ流してあげるとバッテリが目覚めます。
TC7S08FでFETをONさせます。 OFFスイッチはTC7S08Fを反転させるのでFETがOFFになります。これで電源は切れますのでしばらくしてモバイルバッテリーもOFFになります。

他の回路からの信号でもONできますね。

大きなスイッチはつけられないけど、ケーブルを抜き差しせずにモバイルバッテリーを使いたいときご利用ください。

試作回路の写真がないので、地味なページになってしまいました。





2017年3月4日土曜日

リフロー半田付けをやってみた


面実装で小型の基板を製作するとき、リフローができると嬉しいですね。
方法の一つを紹介しますので、参考になれば幸いです。

機材、材料など

使ったソフト、機材

PCB CADは、Eagleです。 データ加工にAdobe社のイラストレータを使います。
レーザー加工機にFabool Laser Miniを使っています。

マスク材料

印刷用マスクは、ステンレスの薄板やユポ紙が良く使われるのですが、厚めのクラフト紙(120g/m2)を使ってみました。耐久性がないので10枚くらい印刷すると毛羽だってきますが、趣味で作るような数量であれば問題ないでしょう。10枚のマスクがあれば100枚以上の基板が作れます。

手順

基板をCADで起こす

まずは、基板を起こします。ここでは、ライントレーサロボットのコントローラを使います。CADはEagleを使っています。他のソフトも使える思いますが確認はしていません。

Eagleで基板を設計します。

はんだ印刷データの抽出

Eagleの場合です。レイヤーダイアログを開いてDimensionとtCreamだけを表示させます。
レイヤーを指定してDXFに出力します。

次にFile->Export->DXF を使ってDXFファイルを作ります。この時、Fill areasのチェックを外しておきます。

Fill areasのチェックを外すのがお勧め。

データ変換

保存したDXFファイルをSVGに変換します。
Adobe社のイラストレータがあれば、開いて別名で保存するだけです。
色が保存されていることがみて頂けると思います。
DXFをSVGに変換します。

他のソフトで変換する場合で色の情報が失われてしまう場合には、Dimensionにある外形情報はDXFに含めない方が良いかもしれません。

Fabool Laser Miniを使っていますのでソフトを開いてSVGファイルを読み込みます。外形加工のチェックを外して半田クリームパターンを切り抜くよう設定したらあとは切り抜きます。

レーザー加工機ソフトに取り込んでイザ加工。


レーザーで切り抜いたクラフト紙とプリント基板

印刷するとこうなります。半田が厚すぎるきが、、、

チップ部品を手で載せて、ホットプレートで230℃くらいに加熱すると半田が融けて半田付けできます。 部品の位置が多少ずれていても融けると表面張力で真ん中に移動してくれます。後は冷まして足付き部品を実装したら完成です。




2017年1月9日月曜日

coichigo MJ << さらに小さなIchigoJam 設計編

組み込み用Coichigoネタです。

coichigoは、IchigoJamを小型化するプロジェクトです。 さらに小さくしたものを製作中です。



前回の成果はcoichigoとして大垣のOMMFで展示させていただきました。興味を持って頂いた皆様ありがとうございました。 

OMMFでは、ラズパイとか ~デュイーノ的マイコンを一渡り済ませたメイカー諸氏がなんとIchigoJamに目を付けたらしいとの情報を耳にしました。

それならば、組み込み用IchigoJamってのを進めるのも一興かと作ってみたのが今回の
   「coichigo MJ」  です。 
元祖IchigoJamを組み込むってのも面白いのですが、選択肢は色々ってことで、進めます。

名前は エム・ジェー


基板CADをいじりながら名前を捻ってましたが、面実装に転んだのだからMen-Jissouでいいかと安直にMJにしました。 スパイダーマンの彼女もMJだった気がします。語感も良いので決定です。

設計方針

  前回の coichigo の方針です。

  • 初心者でも組立可能なリード部品を中心に使用。
  • 標準IchigoJamのシールドが使えるソケット位置。
  • CPUはDIP品でも面実装品でも使える。

  今回の Coichigo MJです。

  • 面実装部品を採用して小型化。ただし中級者が作れるよう1608形状品をつかう。
  • シールドはそのままでは使えなくなっても良いので、間隔を狭めて小型化する。
  • DIPパッケージのCPUは使えなくてもよい。

  次?

  • ソケットを1.27mmピッチにすればもっと小さくなりそう。
  • 名前は、ハーフピッチだから coichigo HP にしましょうか。

回路

機能は削りません。(もともと少ないけどね) となると必然的に回路が決まります。

coichigo MJ 回路図
 いかがです?一通り載ってますよね。ーてか増えてますよ。
乾電池3本でも電源を作れるようにしたいので、レギュレータは省けません。
CPUの水晶振動子をつなぐピンはソケットでは未使用になっていましたが、これをショートすると電源が入るように改造しました。組み込んだ時これを使って電源スイッチを用意できるようにしてあります。5V側はOFFに出来ませんのでご注意ください。 使わないならショートしといてくださいませ。
LEDはリード部品も使えます。

I2C端子のプルアップ抵抗も付けられますよ。

基板

面実装CPUの両側ぎりぎりにソケットを配置しています。残った隙間にすべてのパーツを押し込みました。困ったのがキーボード他のコネクタです。本家IchigoJamを見るとわかりますが、コネクタはかなり大きいのです。端子数は8本必要です。しばらく湯船に浸かって考えた結果、2x4のピンヘッダで基板の左端を挟むことにしました。ピンヘッダで線がだせれば、あとはケーブル用コネクタを付けてしまえばよかろうという安直な解決策です。


coichigo MJ レイアウト 
外形寸法:12.7x35.56mm

いかがです?ちいさいでしょ。これでIchigoJamとして機能する(と思います)。
実は、基板が輸送中でまだ届いていません。

これだけ小さければ、色々なものに組み込めてしまう筈です。

しかし、この部品密度で手はんだ組立可能なのだろうか? 試作報告をご期待ください。

オマケ


これと一緒にロボット用のモータードライブシールドも2種類発注してあります。

ひとつは、MJ用です。 もう一つはcoichigo用で本家IchigoJamにも使えてセンサーもつながるようにしています。これは後日まとめますので少々お待ちください。

[2017/01/09]

コネクタ販売用2.54mmピッチ品を考えていましたが、収まらない事が分かり2mmに変えました。[2017/03/15]





2016年12月24日土曜日

Laser でクリスマスツリーを作ってみた


ずいぶん間があいてしまいました。

色々活動はしていたのですが、書く時間をつくれずにいました。
Laser加工機も買いました。 Smart Laser Miniの3.5W出力のモデルです。
レーザー刻印が主目的でしたが、思ったよりいろいろきれますねえ。

今日は、クリスマスイブでもあり、3mm厚のアクリル板からクリスマスツリーを作ってみました。

加工用のデータはこちら
加工条件は、速度200、100%、10回です。
8回ぐらいで切れているようです。

黒アクリルしか切れないのでこんなダークなツリーですが、組み立てるとこんな感じです。

 
では、よいクリスマスイブをお過ごしください。
 
 

2016年9月22日木曜日

IchigoJam にPCから書き込む



時間の経過は速いものでもう9月も後半です。
残暑も収まりちょっと元気が出てきました。

さて、今回のお題ですが、新しい基板を起こしましたのでご紹介とプログラムの書き込み手順を少し詳しく書いてみたいと思います。

IchigoJam書き込み機基板

CPU側から見た図です。 品薄らしいDIPパッケージだけでなくSMTパッケージのLPC1114も付けられるようになっています。


裏側です。書き込み機として使う場合は、リード部品のみで組み立てることができます。
DIPパッケージのCPUを使う時は、抵抗とコンデンサは裏側につけます。



オマケとして、チップ部品をいくつか加えるとIchigoJamとしても使えます。
こんな外観ですが、TVモニタやUSBコネクタのついたPS/2キーボードもそのままツナグことができます。 最小クラスですね。DIPのCPUを使うとこれ以上はちいさくなりません。(多分)


プログラムを書き込む

さて、回路は過去の投稿にある書き込み機と同じなので省略します。

ソフトの書き込みは2段階になります。

ファームウエアの書き込み


ハードが完成したら、NXP社のサイトにあるFlashMagicを使って、IchigoJamサイトにあるIchigoJamのファームウエアを書き込みます。 まずは、これでIchigoJamになります。

ツール/Flash Magic の入手先。 今の時点ではここから入手できるようです。


IchigoJamのファームウエアはここから入手できるようです。


ダウンロードしたZIPファイルを解凍すると、いくつかのファイルが入っています。
ライセンス規約も入っていますので、目を通して違反しない様にしましょう。
JIS, 英語、モンゴル、ベトナム語用など複数の言語用のファームウエアが入っていますので選んで書き込んでください。 VIがベトナム、MNがモンゴルですね。

Flash Magicの使い方は詳しくは書きませんが 後で出てくるUSBシリアルアダプタがあれば大丈夫です。 IchigoJamのISP端子をGNDにつないだら、他の接続は後述のものと同じです。

プログラムの書き込み

次にichigoJam Basicで動く書き込みプログラムを書き込みます。
上の方にあるrawをクリックすると表示が変わりますので、マウスでドラッグして選択して右クリックでコピーを選ぶとクリップボードにコピーできます。

プログラムはこちらからどうぞ。このプログラムはスピードを速くするためVideo出力を止めています。


もし、TVをつないで書き込む様子を表示したいときはこちらを使ってください。
少し遅くなります。


書き込みツールと方法


さて、IchigoJam化してプログラムを手で打ち込むことも不可能ではないのですが、お勧めはしません。もう少し楽と思われる方法の例を書いておきます。

まずは、パソコンで動く「ターミナルソフト」を手に入れます。 
私はWindowsで Tera Termというソフトを使わせて頂いてます。

Tera Termで検索するとダウンロードサイトが見つかると思います。

例えばこことか、 https://osdn.jp/projects/ttssh2/releases/ 窓の杜サイトにもありました。

次に、USB-シリアルアダプタというものが必要です。
例えば秋月さんで売っているこんなものです。



配線

接続します。

   USBアダプタ の RXD  -----  IchigoJamのTxD
   USBアダプタ の TxD  -----  IchigoJamのRxD
   USBアダプタ の GND  -----  IchogoJamのGND

   電源のGND         ----- IchigoJamのGND
   3.3V電源         ----- IchigoJamのVCC

USBアダプタのPCへ接続

  まずは、USBアダプタをPCにつなぎます。
  ドライバのインストールが必要な場合がありますので、アダプタの説明を読んで対応ください。
  アダプタによって異なるのでよろしくです。Win10くらいになると自動認識してくれるものも多いようです。

  のCOMポート番号を調べておきます。
  Windowsならデバイスマネージャを開くとPortの下に並びますので覚えておきましょう。
   

ターミナルソフトの設定

Tera Termの場合は次のような手順です。他のソフトもこれに準じて設定してください。

端末の設定  改行コード 受信=LF、 送信=CR+LF、ローカルエコーにチェックあり。ロケール=Japanese, 言語コード(コードページ)=932




 シリアルポートの設定 ボーレート=115200、データ=8、パリティ=None、ストップ=1、フロー制御=None、送信遅延=25ミリ秒/文字、 250ミリ秒/行




設定が出来たら、保存しておきましょう。次回に設定を読みだせば毎度入れなおさなくて良くなります。

ソフトの書き込み

配線して、USBアダプタが認識されターミナルソフトの設定が終わったところです。

次にIchigoJamの3.3V電源をONします。

すると、この基板の場合は、ターミナルソフトのウインドウにエラーメッセージが表示されればOKです。 これは、BTNをGNDにして自動起動設定になっていて、起動するプログラムが未だ書かれていないためのエラーです。もし正常な起動メッセージが出たらBTNがGNDにつながってません。

この状態で、プログラムを書き込むことができます。

Tera Termのウィンドウを右クリックしてクリップボードをペーストするとIchigoJamにプログラムが書き込まれます。 さらにキーボードでエンターキーを一回タイプしておいてください。
このとき直ぐに書き込まれたように見えますが、実際にはかなり時間がかかるのでOKはすぐには出ません。

しばらく待つとOKと出ると思いますので、そうしたら ”SAVE 0”エンターキーとタイプします。

バイト数とSavedが表示されたら、書き込み完了です。

これで全ての手順が終了しました。

何台組み立てても、ファームウエアの書き込みができるようになりました。


















2016年7月27日水曜日

TOOLは自分で工夫する の 巻 **糸半田ディスペンサー**




前書

突然ですが、

ジェダイの騎士はライトセーバーを自作するらしいですね。
 
他にも武器を自作する英雄は少なくありません。極めつけは、アイアンマンかなぁ。
 
そういえば、バットマンも昔は自分で全部作っていたようです。 
 
スパイダーマンのコスチュームも最初は手縫いだったし、、、。
 
そこで、(という訳でもありませんが) 糸半田ディスペンサーを作りましたので紹介させて頂きます。 
 
--キャットウーマンも自分で縫ってたなあ。--
--EEスミスのSFのキャプテンFは、遭難したときゼロから宇宙船を自作して帰ってきたぞ。--
 

武器を自作すれば、工作の楽しさもきっとアップしますよ。

 

糸半田ディスペンサーを巻く

糸半田は、500g~1Kgくらいのリールで調達しています。(まだ数えるほどしか買ってない。)
このままでもいいのですが、イベントなどに持ち出したり、小分けにしておくときには巻き直してプラケースに詰めておくと絡まず気持ちよく使えます。

用意するもの

まずは、リールの糸半田と、入れ物、プラスのドライバーを用意します。容器は、食べ終わったお菓子の空き容器を今回使います。
ペンサイズの円柱形がベストです。

ドライバーは、軸が長目で滑らかなものを使ってください。
滑らかでないと、巻いた後で引き抜けなくなります。
 マイナスのドライバも先が太くなるので良くないです。
 ドライバ以外でも、ステンレスの丸棒などがあればそれでOKです。

巻き始め


糸半田を写真のようにL字にまげて、ドライバーの軸の付け根から巻き始めます。 巻くときに重ならない様に隙間なく一層になるように巻いてください。

 ↑これがコツです。

2層目を巻く

一層目が先端まで巻けたら、次は巻かずに付け根まで戻ってから2層目を巻きます。2層目も2層目同士が重ならず、できるだけ隙間なく巻いていきます。

戻るときは巻かずにストレートで戻します。<<大切


 







2層目を巻き進んでいます。

2層目の巻き終わりです。
今度も、巻かずに軸の付け根まで戻して3層目を巻き重ねます。
ドライバーの先端側から出ているのが半田の先端です。


3層目巻き終わり
もくもくと巻いていきます。



太さを確認

4層目を巻き始めましたが、一応太さを確認しておきます。
もう一層巻けそうです。




4層目を巻き終わりました。

何層巻くかは、容器やドライバーの太さ、半田の太さで変わりますので加減してください。
巻き終わったら半田は切ります。






ケースの加工(穴あけ)

巻き始めが見えていますね。

巻いている途中に、最初の端っこを金属疲労で折ってしまわないように注意しましょう。 折れてもつまんで引っ張れば出てくるので多分大丈夫です。

容器の方は、一方の端に糸半田の通る穴をあけます。
木工用のキリとか、ドリルとかで開けましょう。
けがをしないように気を付けて作業してください。

ドライバーを抜く

次に、ドライバーを引き抜きます。このときせっかく巻いた半田を崩さないようにしてください。隙間なく巻いてあれば、簡単には崩れませんが引き延ばす方向には弱いのでご注意ください。

はんだを穴に通す

巻き始めの半田を引っ張ると、ずるずると出てくる筈です。
伸ばしたら容器の穴に通してしまいましょう。

完成

巻いた半田を押し込んでふたができたら完成です。

同じ層を重ならないように、隙間なく巻いてあれば、これで全ての半田を順に引き抜くことができます。

押し込むときしっかり 押し込んで構いませんがあまりに固いようなら最後の層をほどいてください。

写真のモノは大きさが手頃なので昔からよく利用させて頂いています。
お気に入りのものを探してみると楽しいですね。

最後に大切なお話

電子工作に使う半田は、金属の鉛を含みます。 64半田(ロクヨン半田)とか共晶半田と呼ばれるものは約60%の鉛を含んでいます。単純に鉛はんだともいいますね。基本的にはこれらは同じものと考えて結構です。

今回の工作も半田にしっかりと触れますので、製作が終わったら石鹸で丁寧に手を洗ってください。 


鉛は継続して摂取すると中毒の原因になると言われています。よい子は電子工作中にお菓子を食べたりするのは止めて、おやつの前には手を洗いましょう。  (当たり前ではありますが、、)

気を付けるところは気を付けて、楽しく電子工作をいたしましょうというお話でした。