Raspberry Pi Pico のデフォルト開発環境はRaspbianのようです。純正の説明がこれで書いてあります。Windows10に環境をセットアップしてみましたので書いておきます。
RaspberryPi Pico C++ Windows10
用意するもの
- RaspberryPi Pico
- USB-Micro Bケーブル データ転送用(充電専用は使えません。)
- Windows10 PC(Inter-net接続が必要です。)
- Windows10 用 ターミナルソフト(Tera-Termを使いましたがお好みで)
RaspberryPi Pico 左下のタクトスイッチがBoot設定用です。
STEP1Boot設定用のタクトスイッチを押しながら、USB-uBケーブルでWindows10 PCに接続します。μB側を先にさしてボタンを押してPCに差し込むと楽かもしれません。
Picoはマスストレージデバイスとして認識されてWindowsのファイルエクスプローラに認識されますので、開いてみます。
INDEX.HTMを開きます。するとラズパイ財団のページに移動します。少し下がったところにある「Getting started C/C++」をクリックします。
少し下に Blink an LEDがあります。Picoの上にあるLEDを点滅させるサンプルでコンパイル済みのものが用意されています。 「Download UF2 file →」をクリックしてダウンロードします。ダウンロード先は、Picoのマスストレージにします。ダウンロードが終わるとPicoは再起動してLEDが点滅します。
さらに下を見ると”Hello World”があります。これも定番のプログラムですね。
一度USBケーブルを抜き、Bootボタンを押しながらケーブルをさして、
「Download UF2 file →」をクリックしたらPicoのマスストレージにダウンロードします。
さて、PicoがCOMポートとしてWindows10に認識されていますので、ターミナルソフトで開いてCOMで接続してみてください。COM番号は色々変化しますのでデバイスマネージャで確認してください。Hello, worldが受信できていると思います。今回はCOM6でつながっていますね。
以上で初期確認できました。
STEP2
開発環境をMS-Windows PCにインストールしてみます。
Windows SDK(C++)が必要なのでインストールします。ここから入手できます。
ここにWindows用のセットアップツールがあります。インストールしてください。下の方のAssetsにLINKがあります。
インストール先はドキュメントの中が良いと思います。フォルダを設定してInstallボタンをクリックします。
実行するとしばらくしてダイアログが開きます。次に進むとコマンドウインドウが開いて環境設定を行います。これにはしばらく時間がかかります。「続行するには何かキーを押してください。。。」と表示されます。
これで、ドキュメントフォルダの中にPicoフォルダができます。
次に code と入力してEnterキーを押してください。Visual Studio Codeが起動すると思います。これで環境設定されたVS Codeが起動しています。スタートメニューなどから起動した場合は環境設定されていない状態になると説明書に書いてあります。
Codeが起動したら拡張機能を設定します。Control+Shift+Xキーで拡張機能選択になりますので、CMake Toolsを設定します。
CMake Toolsにある歯車(次のスナップショットの赤矢印でしめす)をクリックすると右に設定枠が開きます。
下にスクロールしてCmake: Configure Environment"を探します。(黄矢印)項目の追加で PICO_SDK_PATH を ..\..\pico-sdk に設定します。
さらに下がって"Cmake: Generator" に "NMake Makefiles"をいれておきます。
環境設定が終わりましたので、ファイルメニューからフォルダを開くを選んでpico-examplesフォルダを選びOKをクリックします。
ステータスバーにある Build をクリックするとビルドが実行されます。
成功すると、Pico-EXAMPLES¥buildの中の各フォルダに *.uf2ファイルができています。
特定のプロジェクトのみをビルドするときは、ステータスバーの[all]をクリックすると選択できます。pico-EXAMPLE\blinkの中にLEDブリンクプログラムがありますので時間を書き換えるなどして試してください。
注意として初回のBuildでコンパイラの選択が必要ですが、適宜選んでください。
ソースコードを開くと includeファイルが無いというエラーが表示されたりしますがそのままでビルドできました。環境の読み込みに時間がかかるようで、しばらく待つとエラーは消えるようです。
次回の起動からはインストール先のフォルダ内にある「Visual Studio Code for Pico」というリンクが使用できます。ここから以外(スタートメニューなど)から起動すると環境設定ができないのでビルドに失敗します。
追記 2021/05/03
新しいプロジェクトを作ってみる
Picoフォルダにある「Pico Project Generator」を使うと新しいプロジェクトを作ることができます。このままだとINCLUDEファイルが見つけられないので「ファイルメニュー」→「フォルダをワークスペースに追加」で新しく作ったプロジェクトのフォルダを追加しておきます。これで、Build対象に選べるようにもなります。もうひとつ変更が必要でした。以下の変更で動くようになりましたのでメモしておきます。
状況:
Picoフォルダの「Pico Project Generator」を起動して 「pico-project-generator」の下にCのプロジェクトを作ったところCompilerが見つからないというエラーが発生しました。
エラー内容:
「pico-project-generator\.vcode\c_cpp_properties.json」ファイルに記述されたコンパイラが見つからない。
修正:
Compiler Path と intelliSenseModeを書き換えます。もしこれで動かないときは、「pico-examples\.vcode\c_cpp_properties.json」ファイルで上書きすればよいと思います。
"compilerPath": "C:/Program Files (x86)/Microsoft Visual Studio/2019/Community/VC/Tools/MSVC/14.28.29910/bin/Hostx64/x64/cl.exe"
"intelliSenseMode": "windows-msvc-x64"
以上